2021年に向けて

2020年も皆様のおかげで無事にお仕事を進めることができました。お客様、共に働いてくれた仲間達、ソフトウェア開発を担当してくださった皆様にあらためてお礼を申し上げます。

コミュニケーションの改善

2020年は大変な一年だった、そう感じられる方が多いのではないでしょうか。コロナ禍により仕事の進め方が大幅に変わったことへの適応が難しかったかと思います。具体的には、否が応でもテレカンをしなければならなくなった、slackやTeamsなどのテキストでのコミュニケーションを取らなければならなくなった、ハンコを廃止し電子決裁システムが導入された、などです。基本的に場所と時間の制約を取り去るためのツールやサービスの導入でありますが、ソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメントの観点から気をつけることを一つ挙げたいと思います。それは、コミュニケーションの質の問題です。

ソフトウェア開発を一言でまとめると、ビジネス上の要求をソフトウェア(を動かすコード)に変換する作業です。そして、ビジネス上の要求を出す人とコードを書く人は、通常は同じ人ではありません。つまり、作りたいものがある人と実際に作る人とが意思疎通しないとならないのです。コロナ禍は、そこに新たなる課題を持ち出しました。直接会って話すことができない場合でも、作りたいものを正確に伝えなければならなくなったのです。Google MeetやZoomなどで話をしたことがあればお分かりになるかと思いますが、画面の向こうの人に自分の意見を理解してもらうのは、難しいものです。ましてや、相手が理解したかどうかを自分が把握することはさらに困難です。

この課題は2021年にも続くと考えています。たとえコロナ禍が去ったとしても、打ち合わせのために往復二時間という貴重な時間を使うことに対する疑問は消えることがないからです。これまでは受注側が発注側に赴くことが一般的でしたが、ソフトウェア開発のような受注側の力が強い業界では、受注側(ベンダー)から定例会をテレカンで開催することを条件として提示されるでしょう。また、発注側(ユーザー)としても、移動に対する人件費を陰ながら負担するよりも開発作業に従事してもらう時間を増やしたいという合理的な考え方に変化しなければならなくなっていきます。

では、テレカンで意思疎通を確実に行うために何をすればいいのでしょうか。まずは、議事進行(ファシリテーション)能力を各自が上げる必要があります。少なくとも、現在の議題と会議の参加者全員の意見を正確に把握することが最低条件として求められます。次に、自分の意見を明確に伝えることです。テレカンで自分の意見を発言しなかったら画面の枠外に押しやられて存在すら認められない、これがGoogle MeetやZoomの仕組みです。この仕組みに適応するには、発言する必要があります。「そこに居るだけで威厳が感じられる」ような存在や、お互いを見合わせるような無言のコミュニケーションは、テレカンでは意味がないのです。最後に、必ず決定事項とTODOを会議の最後に読み合わせ、記録として残すことです。これは対面の会議でも必要なことですが、テレカン時代はZoomなどの録画機能で事足りると思っている方がいらっしゃるようです。しかしながらそれは間違いだと申し上げます。会議の目的は、議題に対して結論をだし、その結論に応じて行動することです。決定事項やTODOを知るために会議そのものの録画を振り返っている時間は無駄ですし、録画を各自で見直して各自の解釈で行動するとバラバラな行動になってしまいます。プロジェクトマネージャーは、これらの原則をテレカンの参加者に徹底させることが求められています。

ビジネスとDxとソフトウェア技術者

コロナ禍はいつか終わるかもしれませんが、Dxの流れは2021年も止まらないでしょう。2020年、都心でUberEatsのロゴをみない日はないことがそれを物語っています(UberEatsはDxというよりプラットフォーマーと言ったほうが正確ですが)。自社でソフトウェア開発を行う人員を獲得するか、外注するか、いずれにせよ現状のビジネスを伸ばしていくためにはソフトウェアを利用せざるを得ない時代です(あるいは三鷹光器のような、常に全世界でトップの技術や人員をもつ企業になる必要があります)。

前節でも書きましたが、ソフトウェア開発の要員の慢性的な不足や、DxやAI、少し前では「ビッグデータ」などの世の中の潮流がすべてソフトウェアを必要としていることもあり、ソフトウェア開発を外注する場合において、受注側の方が力が強い状況は当面変わらないと予想しております(もし現時点で発注側の方が強い場合、それは優秀な企業もしくは開発者を見つけられてないことを示しているとお考えください)。発注側企業が持っているのはお金と時間だけですので、そこになんらかのカードを加えないと、受注側と渡り合っていくには分が悪いわけです。そのカードは、当然ながら受注側に具体的に要求できる能力、つまりソフトウェア開発の技術的知識と経験となります。それをこれから習得することを考えると、ソフトウェア開発において外注を第一選択肢とするのではなく、自社で優秀なソフトウェア技術者をいち早く獲得し、自社で必要なものは自社で作るようにするのが最善の策であると考えます。2021年にこれを成し遂げれば、競合他社と大きく差をつけることができるでしょう。

当社の2021年の事業について

前出の2点をご支援する立場であり続けることが、当社の2021年の使命であると考えます。実績にあげた多数のプロジェクトでの議事進行能力、ソフトウェア開発者の選定ご支援、目の前のプロジェクトでの問題解決など、ソフトウェア開発でお困りの際は何なりとお問い合わせください。

最後になりましたが、みなさま良いお年をお迎えください。